和牛と国産牛の違いって何?定義や見分け方も分かりやすく解説!
このページでは、和牛と国産牛の違いを詳しく説明しています。
- 和牛と国産牛ってどう違うの?
- 和牛の定義を詳しく知りたい!
- 和牛と国産牛、選ぶならどっちがいい?
- 和牛と国産牛を見分ける方法を探している
という方の助けになれれば嬉しいです。
和牛と国産牛の違いってなに?
和牛も国産牛も、漢字だけ見ればどちらも日本の牛であることには変わりはないように思えます。
でも実は両者は別物です。
ここではその違いを、定義を比べることによって見ていこうと思います。
和牛とは?
和牛は公正取引委員会認定の食肉公正競争規約での表記に従って、
黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種、および左記の乳牛・肉牛同士に産まれた仔
に認められます。
つまり
- 黒毛和種
- 褐毛和種
- 日本短角種
- 無角和種
の4品種の牛をベースにしつつ、それらから産まれた子供も和牛になるということですね。
和牛の4品種についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをクリック!
国産牛とは?
一方で国産牛は
一定期間国内で飼育された、和牛を含めた肉用種と交雑種、乳用牛の雄
と定義されます。
注目しておきたいのが、「一定期間国内で飼育された」という部分。
国内で育つんだから日本産と思うかもしれませんが、実は日本の飼育期間が3ヶ月以上であれば外国産の牛であっても国産牛と名のれます。
だから海外で産まれた牛であっても、条件を満たせば国産牛として売ることができます。
ここで
- 乳用種
- 肉用種
- 交雑種
と、和牛以外に3つ耳慣れない用語が出てきたので、念のため説明しておきます。
肉用種と乳用種
まず肉用種と乳用種というのは何なのかというと、その名の通り
- 肉用種は食肉として利用するための牛
- 乳用種は牛乳をとるため牛
です。
肉用種は成長が早く、たくさん肉が取れ、そして肉質が良いという特徴があります。
一方で乳用種は、ちょうどいい脂肪分を含んだ美味しい乳を出してくれます。
もちろん肉用種もお乳は出ますし、乳用種を食肉にすることはありますが、できることと得意なことは違います。
極端な例ですが、野球選手もサッカーはできますし、サッカー選手が野球をすることもできます。
でもお互い専門ではないので本職には及びませんよね。
野球選手なら野球、サッカー選手ならサッカーをするのが一番良いパフォーマンスが出せるように、肉用種は食肉として、乳用種は牛乳を取るために適材適所で利用するのが一番良いわけです。
交雑種
交雑種は品種の異なる牛同士の交配で生まれた牛のことです。
主に生産コストを下げたり、 肉質を良くするために行われています。
改めて和牛と国産牛の違いとは?
ここまで和牛と国産牛の定義を解説しつつ、その違いを見てきました。
まとめると、和牛と国産牛の間には
- 和牛は、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種とその間に生まれた仔しか認めない
- 国産牛は、和牛を含む肉用種と乳用種、海外産の牛も含まれる
という違いがあります。
文だけだとちょっと分かりにくい…という方もおられるかと思いますので、和牛と国産牛の関係を図でまとめておきます。
すでにお話したとおり、国産牛のなかには海外産の牛も含まれます。
そのため、もし国内生まれの国内育ちという意味での「国産」牛が食べたいのであれば、和牛のほうを選ぶ必要があります。
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それでは次に和牛の定義にある4品種は一体どういう牛なのか、そのことについて詳しく解説していきます!
和牛と国産牛、どっちがいいの?
それでは和牛と国産牛、選ぶならどちらがいいのでしょうか?
結論から言うと、一概にどちらを選ぶと良いとは言えません。
というのも、どちらにも長所があり、また短所もあるからです。
ではそれぞれの長所と短所というのは、具体的になんなのか。
以下に和牛と国産牛を味や肉質、一頭から取れる肉の量、値段についての評価を表にまとめましたので比べてみましょう!
和牛 | 国産牛※1 | |
---|---|---|
味 | ◯ | △ |
肉質 | ◯ |
△ |
肉の量※2 | ◯ | × |
値段 | △ | ◯ |
※1 ここでは国産牛として一般的な乳用種のこと
※2 一頭から取れる量
では、上記の表の各項目について見ていきましょう!
味、一頭から取れる肉の量の評価
和牛に軍配が挙がります。
というのも和牛は食用にすることを目的に、改良を繰り返されて作られた品種だからです。
対して上記でも触れたように、国産牛の多くはもともとが乳をとることを目的とした乳用種。
食用のために磨き上げられた和牛と比べるとやはり劣ってしまいます。
肉質の評価
次に肉質について。
和牛は4つの品種から構成されています。
和牛の肉質の特徴はかんたんに表現すれば
- 黒毛和種…きめ細かいサシ
- 赤毛和種…サシと赤身のバランスがいい
- 日本短角種・無角和種…旨味が強い赤身
という感じになります。
一方で国産牛の肉質は、一般的にサシが少なく、赤身が中心。
一見すると日本短角種・無角和種と似た肉質のようにも思えますが、お肉の柔らかさや詰まっている旨味が全然違います。
なので肉質に関しても、和牛の方が優れていると言えます。
値段の評価
そして最後に値段について。
楽天で黒毛和牛、国産牛のサーロインステーキ200gの最安値を調べてみた結果、以下のようになりました。
- 黒毛和牛…2,520円
- 国産牛…972円
黒毛和牛のほうが国産牛よりも約2.6倍高くなっています。
この価格差を大きいと感じるか、意外と変わらないと感じるかは人によるとは思いますが、安さを取るのであれば国産牛がいいでしょう。
以上、3つのポイントから和牛と国産牛の長所と短所をお伝えしました。
では結局どっちがいいのかというと
- 食べ盛りのお子さんがいるお宅
- 子供が主役のBBQ
なら国産牛。
- 柔らかくて味のいいお肉が食べたいとき
- 誕生日などお祝いの日
- ボーナスなど臨時収入があったとき
は和牛にするなど、時と場合に応じて選び分けるのが良いかと思います。
和牛と国産牛を見分ける方法は?
スーパーやお肉屋さんで牛肉を選ぶとき、その商品が和牛か国産牛かを確認する方法をご存知でしょうか?
結論から言うと、店頭で和牛と国産牛を方法には
- パッケージを確認する
- 個体識別番号を検索する
の大きく2種類あります。
以下では、それぞれの方法を説明していきます!
パッケージを確認する
これは、そのままですね。
お店に置いてある牛肉は売り物なので、当然パッケージには値札がついています。
この値札をよく見てみると、和牛なら「和牛」、国産牛なら「国産」の表記があります。
国産牛に和牛と表記されることはありませんので、基本的にはここを確認すれば問題ないかと思います。
個体識別番号を検索する
牛の個体識別情報を検索する方法です。
普段買うときにはあまり意識することはないかと思いますが、牛肉のパッケージについている値札には個体識別番号が記載されています。
この個体識別番号を
で検索することで、その牛肉が和牛か国産牛かを確認することができます。
検索結果では、その牛の
- 種別
- 性別
- 生年月日
- 生産地
- 生産者
- どういうルートで異動したのか
などの情報を詳細に見ることができます。
なおこのデータベースは、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」という法律に基づいて運用されています。
普通はパッケージ表記の確認だけで十分かと思いますが、もっと詳しく見てみたいという方は利用してみるのも面白いですよ!
和牛の4品種を詳しく解説!
このページの前半でもお伝えした通り、和牛の定義は
黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種および左記の乳牛・肉牛同士に産まれた仔
という感じです。
いきなり専門用語っぽい感じがズラッと並んだので、「なんのこっちゃ…」と思った方もおられるかと思います^^;
この◯◯種というのはそれぞれ牛の種類で、4種それぞれに誕生した経緯や特徴があります。
以下では和牛の条件となる4種について詳しく見ていきます。
黒毛和種
明治時代末期に、日本古来の牛と外来のシンメンタール種、ブラウンスイス種と交配を重ね誕生。
但馬牛から飼育するものと、九州系のものの2種類あります。
日本の和牛の90%以上を占め、神戸ビーフ、特選松阪牛、近江牛など日本三大和牛に数えられる高級ブランド牛も黒毛和種になります。
肉質はきめが細かく赤身にまでサシ入っています。
また非常にやわらかく、脂の風味も優れています。
褐毛和種
あか牛、赤毛和牛とも呼ばれます。
もともと熊本や高知にいたあか牛にシンメンタール種、朝鮮牛を交配して誕生。
現在は熊本、高知、北海道、東北で飼育されています。
熊本では「くまもとあか牛」、高知では「土佐あかうし」として有名ですね。
成長が早いため肥育期間が短く産肉能力に優れ、黒毛和種よりも大きく育つのが特徴。
赤身が多く脂が少ない、ほどよく柔らかくもしっかりと野性味のある肉質です。
日本短角種
縄文時代から日本にいる南部牛にイギリスのショートホーン種を交配して誕生。
現在のメインの産地は青森、岩手、秋田、北海道となっています。
寒さに強く厳しい環境でも耐えられるので、飼育は夏山冬里の方法を取り、5月から10月にかけて放牧し冬場は牧舎で育てられます。
そのタフさは、エサを食べなくても冬を越せるほどだと言われます。
そのため手間がかからず、また成長が早いため産肉能力が高いです。
サシが入らない柔らかい赤身肉で、保水力が高いため黒毛和種とは違った歯ごたえ、柔らかさが魅力。
またアミノ酸が多く含まれているため、肉らしい香りや旨味が強いのも特徴です。
無角和種
大正時代にイギリスのアバディーンアンガス種と山口県にもともといた黒牛の交配で誕生。
現在は山口県のみで飼育されていますが、飼育頭数が極端に少ないため食肉としての流通量はごくわずか。
実は絶滅が危惧されている品種ですが、復活させる動きはあるようです。
成長が早く、歩留まり(生産量における良品の割合)が高いのが特徴です。
脂肪分が少ない赤身肉なのでヘルシーに食べられます。
このように和牛には
- 黒毛和種
- 褐毛和種
- 日本短角種
- 無角和種
と、4つの品種があります。
和牛というと黒毛和種というイメージが強いかと思いますが、無角和種のように現在では限られた地域にしかいないような品種も存在します。
ただ市場に流通している和牛のうち90%以上は黒毛和牛とも言われています。
そのため普段は黒毛和牛以外の和牛を見ることはあまりないかと思いますが、もし旅行や出張で見かける機会があれば試してみて下さい。
意外な美味しさにハマってしまうかもしれませんよ!
まとめ
ここまで和牛と国産牛の違いや両者を見分ける方法、また和牛の定義についても詳しく解説してきました。
まとめると、
- 和牛とは、黒毛和種、褐毛和種、短角和種、無角和種とそれらの交雑種
- 国産牛は、国内で飼育された和牛を含めた肉用種と交雑種、乳用牛の雄
- 外国産の牛でも3ヶ月以上国内にいれば国産牛を名乗れる
- 味や肉質で選ぶなら和牛、安さで選ぶなら国産牛
- 商品パッケージの表記や個体識別番号の検索で和牛と国産牛を見分けられる
という感じです。
和牛も国産牛も同じ国内産の牛と認識している方も多いかと思います。
でも厳密に言うと、国産牛のほうは純粋な国産ではない可能性があるんですね。
もちろん知らなくても美味しくいただくことはできますが、知っておくと「今日は大切な記念日だから和牛がいい!」といった場合に役立つかと思います。
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